もう15年以上前のこと
認知症の夫を支える奥様に対して、施設職員が伝えた一言。
『奥様も大変ですね』
とにかく仲良しのご夫婦で、私が出逢った当初はお話もでき訪問する私にお二人でコーヒー淹れて下さるようなとても素敵なご夫婦。
でも進行形の認知症というものはスピードは異なるとはいえどうしても進行は止められない
年々変わる夫に戸惑いながらも変わらずの笑顔で接し続ける奥様と、常にニコニコのご主人様にはいつも癒やされながらも奥様の体調にも気をつけていたものでした。
奥様の笑顔があるからこそのお二人暮らし。
だからこそ、久しぶりにご友人とののんびりとした時間を楽しむ事も大事な一時。
そんな時は、どなたかにご支援をしていただかないともちろん出かけることはできない。
認知症で手間のかかる夫をお願いする
夫をお願いし友人との時間を楽しむ
奥様の中ではすでに『負い目』だったと。
そんな無理を承知で、職員の負担も承知で。
でも信頼しているからこそお願いした数日間のお泊り施設。
『奥様も大変ですね』
施設職員は奥様への労いの一言のつもり。
よく頑張ってますね
ゆっくり休めましたか
一人で抱えず頼ってくださいね
そんな思いで伝えた一言だったと言われます
でも奥様としたら
こんな酷い認知症になって可哀想に
大変な認知症で僕たちも大変でした
そろそろ精神科の入院されたらどうですか
いつも、いつも考えます。
このブログもそうですしレッスン中に、レッスン後の会話もメールの言葉も。
伝えた言葉の先
伝わった言葉の先
自分の発信した『言葉』がどうやって相手の耳に残り心に残るか。
同じ一言でも立場や環境、今までの思考で伝わり方も違ければ捉え方なんてまったく違うものになるのだと。
人の立場にたって物事を考える
この事に注意したとしても元々の思考が違えばどんなに考えて伝えても、思うように伝わらないかも知れないし、そもそも自分の捉え方が違っているのかも知れない。
以前、尊敬する先輩から
『難しいからこそ面白いだよ』とお話をうかがったなぁと。
伝える側も捉える側も。
毎日の欠かせないコミュニケーション大切にしていきたいですね
Saya